食後にうとうとしているあなた!隠れ糖尿病かも。

はじめに

ランチには美味しいラーメンやパスタ、丼ものなど、食べたくなりますよね。しかし、ご飯を食べた後、眠気に襲われうとうとしてしまった経験はありませんか?実はこれ、「隠れ糖尿病」かもしれません!

皆様は糖尿病について詳しく知っていますか?糖尿病と聞くと暴飲暴食で太っている人ほど罹患し、血糖値が高いことで身体に悪影響を与えている病気。というイメージではないでしょうか?

実際に糖尿病がきっかけで連鎖的に脳卒中や心筋梗塞、がんなど生活習慣病に罹ってしまう方は多く、とても怖い病気です。また、症状が分かりづらく気付いたときには症状がかなり進行していたという方がほとんどです。

一方で、「隠れ糖尿病」という言葉があります。文字通り、糖尿病とまではいかないものの糖尿病に近い状態を指します。詳細は後述するのですが、この隠れ糖尿病の時点で症状の進行を予防することで糖尿病を未然に防ぐことができるかもしれません。

今回のコラムでは、糖尿病の診断方法から隠れ糖尿病について解説し、糖尿病を未然に防ぐためのアクションプランをご提案させて頂きます。

糖尿病とは

まず、糖尿病とはどんな病気なのかを知りましょう。

ごはんやパン、麺類といった炭水化物は体内で消化されるとブドウ糖に変わります。このブドウ糖が腸から吸収されて血液の中に入ると、『インスリン』というホルモンの働きにより血液中の糖を分解して、体を動かすエネルギーに変換され脳や筋肉で使用されます。余分な糖は筋肉や肝臓、脂肪細胞に取り込まれます。さらにインスリンは、血液中を流れるブドウ糖である血糖を正常範囲に保つ役割もあります。

糖尿病は、このインスリンが十分に働かなくなってしまい、血液中を流れる血糖が本来行くべき場所へ届きにくくなり増えてしまう病気です。従って糖尿病の方は血糖が血液中に留まることとなり、血糖値が高くなっている方が多いです。自覚症状のないまま血糖値が高い状態が続くと、血管の動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞、癌など重篤な病気のリスクが高まります。

2019年「国民健康・栄養調査」によると、「糖尿病が強く疑われる」人の割合は、男性19.7%女性10.8%と5.6人に1人は糖尿病が強く疑われるほど多くなってきており、前年度に比べ、男性で1.0%、女性で1.5%増え、2009年以降でもっとも高い数値を示しています。

健康的な国とされている日本でさえ、糖尿病は増え続けており国民病とまで言われるほどになっているんです。

ここまで糖尿病の数が増え続けている原因は食文化の変化や糖質の依存性、それをうまく利用した企業の販売戦略などが考えられますが、もう一つ見落としてはいけない原因として、健康診断で早期発見できないことが挙げられます。

冒頭で触れましたが「隠れ糖尿病」という言葉、皆様はご存知でしょうか?

隠れ糖尿病は、食後の血糖値が通常の人よりも高い「食後高血糖」なのに、空腹時の血糖値に問題がないため発見できない状態のことをいいます。そのため、気づかないうちに糖尿病が進行してしまう恐れがあるのです。

インスリンは糖が体内に入ってくることによって反応的に分泌されるホルモンでした。糖尿病と判断される空腹時血糖値が高い状態、つまりインスリンの効果がかなり弱まってしまっている状態を未然に防ぐには、糖を摂取したときのインスリンの効きを継続的に検査しておくことが必要ということです!従って、隠れ糖尿病を発見するには、この食後の血糖値を継続的に検査し食後高血糖を起こしていないか確認することが大切というわけです。

糖尿病の診断方法と健康診断のギャップ

ここで、一般的な糖尿病の診断方法を見てみましょう。

糖尿病の診断には、血液検査で次の①〜④の4つの項目を測定します。

  • ①の空腹時血糖値とは文字通り食事を取っていないときの血糖値のことを言います。この値が高い状態すなわち、空腹時の時点で血糖値が高い状態にあるということは、糖尿病の症状であるインスリンの効きの悪さが進行してきていることが分かります。
  • 75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)とは、糖が体内に入ってくることによって反応的に分泌されるインスリンがどの程度効いているかを判定する試験であり、食後の血糖値を測ることができます。
  • HbA1cというのは、1〜2ヶ月前から検査日までの血糖値の平均を示すものであり、高値を示せば持続的に血糖値が高い状態が続いていたことを意味します。

このように糖尿病の診断方法でポイントになるのは、空腹時血糖値HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)75g経口ブドウ糖負荷試験に伴う血糖値の変化糖尿病の明らかな症状の有無網膜症の有無であり、空腹時血糖値、食後血糖値、1~2ヶ月間の血糖値の平均値、現在の症状と網羅的に検査をして診断しています。

一方で、ご自身の血糖値を常に測っている方は少なく、ほとんどの方が年に一回の健康診断でご自身の血糖値を知ることになるかと思います。

しかし、健康診断をした経験がある方は分かるかと思いますが、「前日の夜21時以降は水以外のものを飲食しないでください。」という制限がかかると思います。つまり糖尿病の検査として健康診断で測定しているのは「空腹時血糖値」であり「食後血糖値」の検査ではないのです。

従って、健康診断で血糖値に警告マークがついている状態では、もうすでに糖尿病の進行が進んでいる状態であり、健康診断という健康予防活動において隠れ糖尿病を発見できないという訳です。

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