良い口腔環境が、感染症を予防する!
感染症と口の中が関係していることはご存知でしょうか。
口の中のことは、医療用語では「口腔」といいます。
適切な歯の治療はもちろん大切ですが、むし歯や歯周病にならない「予防」も重要であるということが明らかになりました。
今では、予防歯科の重要性は歯科医の間でも当たり前となっているようです。
コロナウイルスをはじめとした感染症への感染リスクと、口腔環境は関係していると言われています。
さらに驚きなのは、予防で行っていたはずのマスク着用は、実は感染リスクを高めているかもしれない。ということです。
当コラムでは、感染症対策と未病ケアの観点から口の中についてお話しします。

感染症と口腔
2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID−19)という新たな感染症が猛威を振るい、生活様式の変化が余儀なくされました。
今までの当たり前が当たり前でなくなり、様々な角度から計り知れない影響が出ました。
様々な問題がある中で、目立つことこそ無いかもしれませんが、予防医療分野では口腔状態への影響が騒がれていました。
コロナウイルス感染症は、2020年に流行し始めたのものなので、現状コロナウイルスに関する研究結果は多くありません。
しかし、インフルエンザの感染リスクと口腔状態に関しては、様々な研究がなされています。
例えば、適切な口腔ケアを行なうことでインフルエンザの感染リスクが減少することがわかっています。
専門的な口腔ケアを6か月間受けた98人と、受けていない人92人との比較した研究があります。専門的な口腔ケアを受けた人は、感染リスクは低かったという事が分かります。(赤枠)

この違いはどこにあるのでしょうか。
口腔内には数百種に及ぶ常在菌がすんでいるのですが、むし歯菌や歯周病などの病原性の高い悪玉菌は、インフルエンザウイルスなどの増殖を助ける物質をつくりだします。
さらに、最新の研究報告でコロナウイルスを活性化させたり、細胞内に侵入しやすくさせたりする物質が、歯肉や舌の上に存在していることがわかったという情報もあります。
専門的な口腔ケアによってこれらの要因が軽減したということです。
口腔環境は、感染症対策を考える上で切っては切り離せないものと言えます。
後半では具体的なアクションプランを含めて話をしていきます。
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