「腰痛」は日常の中で、とても多く聞かれる問題の一つです。
今回は、そんな腰痛について今から知っておくべきことをお話します。
腰痛ってつまり腰が痛い事でしょ?
そんなことは誰でも分かると思うのですが、健康への第一歩を踏み出したあなたには、腰という身体部位について確認した上で、腰痛に対する正しい理解を深めていただきたいです。
このコラムを最後まで読んでいただく事で、なぜ痛くもない「今」腰痛について考える必要があるのか。また、なぜ腰に痛みが生じやすいのかを理解する事ができます。
さていきなりですが、問題です!
正常と言われる背骨の形はどれでしょう。

決まりましたか?
正解は…
「①」です。
私たちの背骨は真っ直ぐではなくこのようにS字状に湾曲しているのです。
詳しくは後述しますが、この形状が②や③になっていると腰痛の原因となります。背骨の形は①のようなS字状である事が理想的であるという事です。
なぜそのようになるのでしょう。
腰を知ることで分かる真実
本題に入る前に、腰という身体部位について説明したいと思います。
腰痛は腰が痛くなる事を言いますが、そもそも腰はどこの事を言うのでしょうか。
Wikipediaによると、「腰は大まかな意味では脊柱の下部から骨盤までを指すが、解剖学的には腰椎周囲の背部を指す」とあります。
あなたが腰が痛いと言って押さえる場所は骨盤でしょうか?それとももう少し上の部分でしょうか。
背骨は、専門的には脊柱もしくは脊椎などと言います。
このコラムでは脊柱として表記しますね!
分かりやすいように、頭蓋骨と脊柱を身体から引っ張り出してみます!

この青色で囲んでいる部分を専門的には腰椎と言います。
脊柱の中で、骨盤より少し上に位置します。
腰椎は骨が5つで構成されています。
これより上の12個は胸椎。その上の7個は頸椎と呼ばれ、これらを総称して脊柱と言います。
例えばこの7個の頸椎は、人によって8個になったり、9個になったりはしません。
哺乳類では、ほとんどの種で7個だと言われています。
キリンくらい首が長くても、頸椎は7個です。
腰椎は、骨が5つで構成されていると書きました。
この一つ一つの骨を椎体(ついたい)と言います。この椎体が積み木の様に重なりあって、脊柱を構成します。

左側から、椎体を左側から見た図。後ろ側から見た図。前側から見た図。です。
椎体は、腰か胸か首かによっても形が少しずつ異なるのですが、今回のコラムでは割愛させていただきます。
とにかく腰椎はこの椎体という積み木が5つ積み重なってできているものです。

腰痛が良く生じるということは、言い換えると腰椎や、腰椎周りで発生する痛みが多いと言うことになります。
これには理由があります。
下の人体模型をご覧ください。

赤マーカーで囲んだ部分は、骨盤と胸郭になります。
この赤マーカーの部分はご覧のように非常にしっかりとした形状をしています。
注目していただきたいのは、赤マーカーの囲いと囲いの間です。

この青マーカーの部分は、先程紹介した腰椎です。
驚くことは、この青色の部分は赤マーカーの部分と比較して、非常に不安定な構造をしている点です。
これが腰椎で痛みや問題が発生しやすい原因の一つです。
つまり、構造的に不安定である。という事です。
また、青マーカーで囲われた面積と比較して上の赤マーカーで囲われた面積が非常に大きいと思います。これは、大きな胸郭を不安定な腰椎が支えている事を示しています。そのため、腰椎は常に大きな胸郭からのストレスを受けている事になります。
腰という部位を理解するだけでも、なぜ腰に痛みが起こるのかが分かってきます。
腰痛の8割はレントゲンで分からない!
痛みがひどくなると、基本的には病院に行くことが多いと思います。
そして病院では、レントゲンやMRIを使って画像検査を行い、その結果をもとに医者が診断します。

しかし、画像の結果から、ハッキリと原因を特定できるものは15%しかいないと言われています。
15%です。
「それしか分からないの?!」なんて声が聞こえてきそうですね。
レントゲンやMRIでは、骨の様子やヘルニアなどは分かりますが、筋肉のSOSサインや痛みの場所の特定に至らない事があります。
このうちハッキリ原因を特定できる15%を特異性腰痛と言います。
これには、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、圧迫骨折などが含まれます。
聞いた事がありますか?
では残りは、なんでしょう。この残りの85%を「非特異性腰痛」と言います。
これが一般的に言うところの腰痛と呼ばれるものになります。
病院で診断されると、急性腰椎症、慢性腰椎症などと言われます。
腰がどのような構造をした部位なのか。病院で一般的に言われる腰痛がどのようなものかを理解できたら、S字状になっている脊柱がなぜ理想的なのかについて共有します。
脊柱が持つ湾曲の秘密
正常と言われる脊柱は、①のようなS字状になっていると冒頭でお話ししました。
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